ソウル発「Kompakt Record Bar®︎」が池尻大橋に上陸!次世代ミュージックバーの全貌

韓国・ソウルの音楽シーンを牽引する「Kompakt Record Bar」が2026年5月、東京・池尻大橋に誕生した。株式会社 ビームス(以下、ビームス)が「Kompakt Record Bar®︎」とパートナーシップを結び、東京店の運営を担う平野正樹氏のタッグにより実現。スピーカーから発せられる良質な音と、オレンジ色の光に包まれたミュージックバーならではの心地よい空間は、早くも街の新たな止まり木となっている。

ソウルから池尻大橋へ上陸

渋谷の喧騒を抜けた先にある池尻大橋。コンクリートの静かな佇まいに、四角い窓が一つ。そこから温かいオレンジ色の光が漏れるこのバーは、ソウルで絶大な人気を誇る「Kompakt Record Bar®︎」の東京店だ。

今回の東京進出の鍵を握ったのは、SKO EXTEDITを運営する平野氏である。もともとソウルの店舗の熱心なファンだったという平野氏は、オーナーJinmoo氏の作り上げる音楽の空気感に深く共感していた。「東京でも、クラブとも普通のバーとも違う、音楽を軸に人が自然に集まる場所を作りたい」との想いから、ソウルのアイコンを東京の街へと迎え入れたのである。

そして、パートナーであるビームスは日本国内の事業を主体とする。今回、ビームスが選ばれた背景には、カルチャーシーンで培ってきた幅広いネットワークに加え、今後強化していくアパレルやグッズ制作のクリエイティブ力があったためだという。今後はグッズ展開も強化し、”音楽を着る”という体験まで含めてブランドの世界観を発信していく構想だ。

Kompaktの哲学に東京らしさをミックス

店名の「Kompakt」という綴りには、オーナーのルーツが刻まれている。韓国1号店をオープンする時に見つけた物件は、決して広くはなかった。しかし彼はそこを「狭い」と嘆くのではなく、「狭いからこそ、中身が詰まったいい音を聴ける場所にしよう」と考えたのだ。かつてドイツに留学していたJinmoo氏の経験から、ドイツ語の「Kompakt」を採用した。

この「小さくても濃密」という思想は、東京店にも受け継がれている。単に韓国の店舗を再現するのではなく、ビームスや平野氏が長年培ってきた東京のストリートカルチャーや音楽観をブレンド。さらに池尻大橋という街の空気感を通し、「東京でしか成立しないKompakt」が形作られた。

音と共にあるための空間設計

注目したいのは店内に2つ設置されたスピーカーだ。インストールされているのは、オーディオデザイナー、デヴォン・ターンブルによる「Ojas」と、ノルウェーの音響メーカー「NNNN」が共同開発した「ON8 Small Club System」。スピーカーは店の顔のひとつであるという考えから、妥協のない音質はもちろん、空間に自然に馴染みながらも確かな風格を漂わせる造形美が重視された。
DJブースには、世界中のDJに愛されるTechnicsのターンテーブル「SL-1200MK3D」と、Pioneer DJのフラッグシップミキサー「DJM-A9」が備えられている。

ここでプレイされる音楽に、厳格なジャンルの縛りはない。ジャズ、ソウル、ファンク、ヒップホップ。空間にそぐわない極端にハイテンポな曲は避けつつ、その日の空気感に合わせた一曲が選ばれる。

特筆すべきは、その鳴らし方の哲学だ。リスニングバーと聞くと、沈黙の中で音に耳を澄ませる空間を想像するかもしれない。しかしここでは、ただ大音量で鳴らすのではなく、大きな音でもちゃんと会話ができることや、長時間いても疲れないことが何より大切にされている。音楽を主役に据えながらも、お酒や会話、そして空間全体が心地よく混ざり合う、オーガニックな音響設計がなされているのだ。

視覚からも没入感を作り出す内装

この緻密な空間デザインを手がけたのは、デザインチームの「Landscape Products」。Kompaktの哲学であるDJファーストをベースに、東京ならではの洗練した店内のアートや絶妙な配色によって、絶妙な空気感を表現している。

なかでも、バーカウンターの上部で柔らかな光を放つ、縄を編み込んだような独創的な照明は、韓国のデザイナー、イ・カンホによるハンドメイド作品だ。カウンター、客席、DJブース、さらにはディスプレイの棚に至るまで、各所に独立した調光機能が備わっており、その日の雰囲気や時間帯に合わせて、ゲストが没入感を得られる光の温度が作り出されている。

この五感を満たす空間でぜひ味わいたいのが、ソウル本店でも愛されているシグネチャーカクテル「コンパクトフィズ」だ。ジンとエルダーフラワーのリキュールをベースに、韓国産の梨のフレーバーティー「ムーンウォークティー」を漬け込んだ一杯。爽やかなレモンとソーダの刺激が、良質な音楽で研ぎ澄まされた感覚に心地よく染み渡る。

池尻大橋から育つ、新しいカルチャーブランドの形

誰もがスマートフォン一つで、世界中の音楽をいつでもどこでも聴ける現代。それでもなお、レコードバーという物理的な場所に足を運ぶ価値とは何だろうか。平野氏は、その問いにこう答える。

「正直、あまり難しく考えたことはないです。単純に自分がレコードが好きで、音楽を聴きながら友達とお酒を飲む時間が好きだから。実際に同じ空間で同じ音を共有することで生まれる空気感は、やっぱり特別だと思っています」

オープンから約2ヶ月。店には感度の高い音楽ファンだけでなく、近所の住人がふらりと二軒目に訪れる光景も見られるようになった。単なるレコードバーではなく、一つのカルチャーブランドとして東京・池尻大橋で新たなカルチャーの交差点になろうとしている。

Kompakt Record Bar TOKYO
東京都世田谷区池尻3-23-1 1F
Instagram : @kompaktrecordbar_jp
営業時間:19:00-3:00(日曜 18:00-1:00)
不定休

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Honoka Yamasaki

レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、新宿二丁目を拠点にGOGOダンサーとして活動。 フリーマガジン『ビアンマップ』制作/連載newTOKYO「私とアナタのための、エンパワ本」執筆

Photo by Rina Amagaya

1992年、吉祥寺生まれ。2023年より福岡市に移住。 広告・PR・広報の仕事を軸に、企画やディレクション、撮影、執筆を行っている。 大手人材会社での営業、ライフスタイル系WEBメディア編集部での経験を経て、2024年に「fiilter株式会社」を設立。

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