小原晩【たましいリラックス】vol.34 いまがいつでも朝はきて

月曜の夜のお礼の連絡をしようとおもったらもう金曜の昼だった。最近は、一日に二度ほど長く寝てしまうから、今日の終わりとはじまりがあやふやになり、いつがなんなのかさっぱりわからない。
昨晩は20時くらいに眠ったら午前1時前くらいに目を覚まして、少し作業をしたら、書いているものがとてつもなくつまらないのではないかと不安になってきて、くるしくなり、気楽と紙に書いて壁に貼った。書いてみると自分の字が馬鹿っぽいこともあり、不安からすこし遠のいた。どちらにせよ、やるしかないのだ、やりたいのだから。気楽と勇気だ。

急に麻婆麺が食べたくなり、24時間やっているスーパーにて材料を買う。自分でつくるのは、はじめてである。しかし、おいしい。無難に、おいしい。誰かに振る舞いたいとは思わないけれど、自分のためにはまたつくるだろう。

追いだきボタンを押して、湯をあたためる。何時間もお湯につかりながら本を読む。湯船からでると、窓の外が、深いブルーだ。このくらいの時間には、空はこんなにも青いということを、あなたは知っているのだろうか。と思うときの、あなたは、どこのだれだろう。

適当な服に着替えて、散歩に出る。細い道のすべてに二羽ずつ鳩がいる。避けるために遠回りになる。酔っ払いとすれ違う。階段に座ってペヤングを掻き込んでいる成人男性に睨まれる。べつに誰も悪くない。コンビニに寄ってアイスカフェラテを買う。今日はなんだか肌寒いけれど、一度アイスにしてしまうと、なんとなくホットに戻れない。近所の公園まで、なんとかしてたどり着く。ラジオ体操をしているみなさんを横目に歩く。ラジオ体操をしている人たちの隙間をばっさばさとカラスが降りては飛びたち、降りては飛びたつ。ラジオ体操には、どうやったら参加できるのだろう。その情報は、わたしの元へは決してやってこない。木は風に揺れている。夏じみて長く伸びはじめた芝生をゆっくりふみつけ歩く。ベンチに座る。隣のベンチが濡れていて、このベンチは濡れていないということは、誰かがきれいに拭いたのだ。おばあちゃんがゆっくりと前を通り過ぎ、なにか挨拶されるが、ノイズキャンセリングのせいできこえない。あっす。というあの便利で情けない挨拶を口から出している。もう5月も終わるのだと思うとさびしい。

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小原晩

1996年東京生まれ。作家。歌人。2022年3月エッセイ集『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』、2023年9月『これが生活なのかしらん』(大和書房)刊行。https://obaraban.studio.site

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