感性を形にする香りのDIY。THE FLAVOR DESIGNで創る唯一無二の記憶

世界に一つだけの香りをつくる「THE FLAVOR DESIGN」。200種以上の香料から直感で選び、調合する体験は、日々に彩りを添える創造的な旅のようである。渋谷店をはじめとする各店舗では、利用者が自ら香りを調合する「FlavorShake」を体験できる。

香りと味の境界線をデザインする

大阪・南堀江で11年前に誕生したTHE FLAVOR DESIGNは、かつてオーダーメイドスーツやコーヒーを共に提供するユニークな業態から始まった。ブランド名を「フレグランス」ではなく「フレーバー」という単語で表現している理由は、香りと味の密接な関係性を重視したためである。広い意味で香りを捉え、自らの手でそれをデザインするという強い意思が、その名には込められている。

ブランドが大切にするのは、香・光・美という三つの要素だ。旅先で記憶に刻まれる心地よい香りや、差し込む光、そして美しい景色。常識にとらわれない自由な発想を原動力に、常に新しいものを生み出していく姿勢が反映されている。

200種類の香料からつくる「Flavor Shake」

THE FLAVOR DESIGNの核となるのが、自分だけの香りを調合できる「FlavorShake」である。当初、香水ではなくファブリックミストのDIYからスタートしたのは、よりカジュアルにファッション感覚で香りを楽しんでほしいという想いがあった。これは、かつてオーダーメイドスーツを手掛けていたブランドの出自ともつながっている。

現在、店頭には200種類もの香料が並ぶ。そのすべては、オーナーが旅路で出会った風景や記憶から創造されたものだ。それぞれの香りに付けられた名前は、「POPS」など抽象的である。これは、レモンやウッドといった成分名による先入観を排除し、お客様が純粋な直感で好きな香りを選べるようにするための工夫だ。

スタッフは、お客様の曖昧なリクエストを香りに落とし込むプロフェッショナルである。初夏の朝や切ない気持ちといった抽象的なイメージに対し、選ばれた香りの傾向から好みを瞬時に察知し、繊細な配合調整を行う。200種類もの選択肢があるからこそ、一人ひとりの感性に寄り添う特別な1本が完成する。

無機質な空間で彩りを加える

全国に店舗を展開する中でも、渋谷店は際立って無機質なデザインが特徴だ。多種多様な文化や人種が交差する渋谷という街において、店内はあえてホワイトを基調とした空間に設えられている。これは、お客様自身が創り出す香りの色で、空間を彩ってほしいという願いの表れである。

ブランドのテーマカラーはブルーだが、渋谷店の外に掲げられたネオンはあえてホワイトで統一されている。真っさらな空間で、自分自身の内面と向き合いながら香りをデザインする時間は、都会の喧騒を忘れさせる特別な体験となるだろう。

アトラクション型の調香

香りをつくる工程は、まるでひとつのアトラクションのように高揚感に満ちている。まず、膨大な香料の中から2〜3種類の好みの香りを選び、スタッフとのていねいなカウンセリングを経て香りを絞り込んでいく。実際に試作を繰り返し、2〜3ターンの調整を経て理想の香りに近づけていく。

香りが決まった後は、ボトルの色やキャップの素材を選び、仕上げに液体の色付けを行う。好みの色をその場で調合し、香りに視覚的な個性を与える作業だ。

さらに、ラベルには好きな名前や日付を刻印することが可能だ。結婚記念日や誕生日の記録、あるいは推し活として大切な名前を刻むなど、ラベルに込められるストーリーはさまざまである。中には「Nandeyanen」といったユニークなネーミングを施す例もあるとか。

香をファッションとして楽しむ

DIY以外にも、生活を豊かにするアイテムが豊富に揃っている。季節を問わず愛されるベストセラーのミストや、ピンポイントで香りを纏えるロールオンタイプのパフュームオイルは、持ち運びのしやすいため、重ね付けをしても楽しめる。

また、穏やかな空間を演出するディフューザーや、都会的な印象を与えるお香も人気が高い。お香のパッケージには、沖縄のタトゥーアーティストがデザインした「香り」という文字のグラフィックが採用されている。これは平仮名とも漢字とも読める独創的なデザインで、ブランドのルーツであるアパレルへのこだわりが垣間見える。

THE FLAVOR DESIGNを訪れる層は、カップルや友人同士、修学旅行生など多岐にわたり、その8割を女性が占めているとのこと。ギフトとして贈る際は、相手の服装や趣味をスタッフに共有することで、その人をイメージした最適な香りを一緒に見つけ出すことができる。

香りを纏うことは、自分自身に少しだけ自信を授け、時には心を癒やす力を持っている。頑張りたいとき、あるいはリラックスしたいとき。一人ひとりのライフスタイルにそっと寄り添い、日常を彩るお守りのような存在として、THE FLAVOR DESIGNの香りを身に纏うと良いかもしれない。

THE FLAVOR DESIGN
住所:東京都渋谷区渋谷3丁目5-1 グランドハイツ 101
Webサイト:https://www.theflavordesign.com/

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Honoka Yamasaki

レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、新宿二丁目を拠点にGOGOダンサーとして活動。 フリーマガジン『ビアンマップ』制作/連載newTOKYO「私とアナタのための、エンパワ本」執筆

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