
絶えず姿を変え続ける新宿・歌舞伎町。この街の片隅に、時が止まったかのような、それでいて最先端の存在感を放つ場所がある。かつて街の象徴だった「日の丸キャバレー」の跡地に誕生した「THE 27 CLUB(ザ・トゥエンティーセブン・クラブ)」だ。
赤い絨毯、重厚なソファ、そして異彩な空間を演出する巨大な円形の照明。今回は、国内外のセレブリティや感度の高い若者たちが夜な夜な集う、この唯一無二の「大人の遊び場」の魅力に迫る。
昭和のキャバレーを現代に

店名の「THE 27 CLUB」という言葉を聞いて、ピンとくる音楽ファンも多いだろう。ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウス……。27歳という若さでこの世を去った伝説的なアーティストたちの総称だ。この「早すぎる死」は、裏を返せば「永遠の若さ」の象徴でもある。
クリエイティブディレクターの山本海人氏がこの場所に描いたのも、「永遠に色褪せない若さと才能」への敬意を込めているように感じる。かつて昭和のキャバレー文化を支えたこの場所が、形を変え、新たなカルチャーを生み出す発信地として再生したのだ。
赤い螺旋階段と日の丸の光

扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは、かつての「日の丸キャバレー」から受け継がれた巨大な階段だ。「どこを切り取っても絵になる」と評される内装は、単なるレトロではない。
昭和のキャバレーが持っていた重厚感と、現代的な照明・音響設計が融合し、まるで映画のセットのような非現実感を演出している。この唯一無二のロケーションは、aiko、Da-iCE、EveといったトップアーティストたちのMV撮影地や、バレンシアガ、セリーヌといったハイブランドのイベント会場としても愛されている。
「スタジオ54」の再来

THE 27 CLUBが目指しているのは、1970年代のニューヨークで一世を風靡した伝説のナイトクラブ「スタジオ54」だ。年齢、職業、国籍を超え、多様な人々が混ざり合い、その場でしか起きない化学反応を楽しむ場所。
再開発が進み、クリーンな街へと変わりつつある歌舞伎町において、この店はあえて「大人の色気」と「混沌」を残している。それは、効率や利便性を優先する現代社会に対する、最高に贅沢なアンチテーゼといえるだろう。
昼は喫茶、夜はショー

この建物は、時間帯によって異なる2つの楽しみ方がある。
一つ目は、昼間に喫茶として営業している「ニイナナ喫茶」。元ヨウジヤマモトのアシスタント、老月ミカ氏がプロデュースし、こだわりのクリームソーダやレモネード、ハタチ専用のメニューなど、可愛らしくもエッジの効いたメニューが揃う。広いソファ席を贅沢に使えるコスパ度外視の空間は、平日の昼間にゆったりと過ごすのがおすすめだ。
そして、夜になると「THE 27 CLUB」として、ステージでのショーが繰り広げられる。現在は不定期ながら、下記の個性豊かな3つのレギュラーイベントが開催されている。
Baileys:初心者でも親しみやすい、歌とダンスのエンターテインメント
Hi! Carat:テーマパーク出身のダンサーによるレトロミュージカル
X:ポールダンスをメインとしたソロショー
THE 27 CLUBの楽しみ方

「派手すぎて緊張する」「歌舞伎町は入りづらい」と感じる読者もいるかもしれない。しかし、スタッフはこう語る。「ここは、若者からお年寄りまでが集まる、実はとても間口の広い場所なんです」。
初めての方は、まずは平日の「ニイナナ喫茶」から足を踏み入れてみてほしい。一杯のコーヒーから、次は夜のショーを見に来るーー・そんな楽しみ方ができるのも、この店の魅力だ。新宿の夜を彩る大人の遊び場で、あなたも歴史の一部になってみてはいかがだろうか。
THE 27 CLUB
東京都新宿区歌舞伎町2-36-3 3階
Webサイト:https://the27club.jp/