京都駅の中に、光が流れる茶室。NAKEDが手がけるアートカフェ「NIWA」

京都駅の中に、NAKEDが手がけるデジタルアートを眺めながら抹茶や和菓子を楽しめるカフェがある。駅ビル7階の東広場にある「NIWA」だ。

デジタルアートがゆらめく幻想的な空間

店内に足を踏み入れると、外の熱気が遮断されるとともに、雰囲気も変わる。天井を這い、柱にからまりながらうねる竹のインスタレーションがあり、竹に沿ってスカイブルーの光が流れていた。そのモチーフは、京都の鴨川の流れであり、かつ風水の四神相応(しじんそうおう)の思想において、東を司る青龍でもある。

客席スペースを大きく占めるのは、「光の茶室 貴和」と名付けられた、仕切りのない茶室空間。畳3枚分の広さがあり、一面をプロジェクションマッピングによる映像が流れる。そこには、おぼろに山々が見えるが、大部分は青い水面だ。ところどころで同心円状に波紋が広がり、そして消える。

「光の茶室 貴和」のほかにも、プロジェクションマッピングが投影されたテーブルがある。天板には、よりカラフルで、日本らしい自然景観が切り替わりながら映し出される。テーブルの形状は枇杷を思い起こさせるが、茶室に入る前に、手を洗うために置かれた「つくばい」からインスパイアされたという。

NAKEDがプロデュースするアートプロジェクトの一環

昨年3月開業のこの店をプロデュースしたのは、(株)ネイキッド。数々の大規模デジタルアートの生みの親として国内外で知られる存在である。同社が飲食店の運営にかかわるとは意外だが、文化庁や京都府などと協業する「NAKED GARDEN ONE KYOTO」の一環として立ち上げたものだという。このプロジェクトは、「行政と民間、宗教宗派、伝統文化や最新技術などの垣根を超えて京都をひとつに繋ぐ共創」としてスタート。その取り組みの1つが「NAKED ART STATION」であり、第一弾として「NIWA」が生まれた。

店名はもちろん「庭」からきており、一度作って終わりでなく、皆と一緒に育てていく場にしたいという想いがこめられている。

光の茶室で楽しむ抹茶や和菓子

今回、実際に注文したのは、おすすめの「プレミアム抹茶ラテ」と「NIWAおはぎ」。抹茶ラテに使われている抹茶は、「坐忘斎家元御好抹茶(ざぼうさいいえもとおこのみまっちゃ)」という。裏千家の家元がお好みとされる抹茶という意味だそう。よそのカフェで飲む一般的な抹茶ラテとはだいぶ異なる味で、奥深く濃厚な「旨味」があった。

他方、「NIWAおはぎ」も意外性に富んだ一品。通常、素材のもち米は、半づきにして粒を残すのが一般的。そのため、食べたときに特有の歯ごたえがある。対して「NIWAおはぎ」は、そうした食感はほとんどなく、もちもちした柔らかさがある。とりわけ抹茶をまぶしたものは、つるっとした水ようかんを連想させた(後で聞いたが、こんにゃく餅を使っているという)。それだけに清涼感があり、残暑厳しい今の季節にほどよくマッチした。

店の人によれば、「暑い今夏はかき氷が当たり年でした。多くのお客様が食べにいらしています」とのこと。かき氷は3種類あるが、おすすめは「NIWAかき氷 抹茶づくし」。厳選した抹茶蜜をベースに、抹茶白玉、小豆、抹茶アイスを添えた、まさに抹茶づくしの贅沢な一杯。

かき氷はあいにく夏季限定だが、スイーツとしてはほかに「抹茶白玉ぜんざい」「抹茶バスクチーズケーキ 抹茶アイス添え」がある。ドリンクも充実しており、ノンアルコールとアルコールの両方が揃っている。コーヒーやビール、抹茶ラテといった定番のほかに、「柚子蜜ソーダ」という変わり種もあるので、選ぶのも楽しい。

同店では、食べて飲む以外に「文化体験ワークショップ」にも参加できる。通年ではなく、内容もその時々で変わるが、現在は毎週火・木曜日に開催されている。日によって異なるが、いけばな、友禅染、金箔、竹工芸、京甲冑などが体験可能。時間は40〜60分程度で当日予約にも対応し、伝統文化を直接学べる手頃な機会となっている。

京都への旅で、駅に到着したら、喧噪から離れてまずはここで腹ごしらえ。そして帰る日の新幹線を待つ間に、心を静めてワークショップを受講するのも一興だ。

NIWA
住所: 〒600-8216 京都市下京区烏丸通り塩小路下る東塩小路町901番 京都駅ビル 東ゾーン7階
営業時間: 11:00~22:00(L.O. 21:00)
定休日: 不定休
ウェブサイト: https://niwa.naked.works/kyoto/jp
Instagram : @niwa_kyoto

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Takuya Suzuki

老舗翻訳会社の役員を退任後、ライター、写真家、ボードゲームクリエイターとなる。神社仏閣・秘境めぐりをライフワークとし、撮った写真をInstagramに掲載している。@happysuzuki

Photo by Ryo Namba

フォトグラファー/ビデオグラファー。東京で活動後、2023年に京都に移住。関西と東京の二拠点でフットワーク軽く活動中。最近の趣味は、落語、将棋、料理を作って妻が集めた食器に盛り付けること。 https://ryonamba.com

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