ブラックミュージックと渋谷のストリートカルチャーが融合する場所「MUSIC BAR BOUNCE」

先日紹介した「RECORD BAR analog」には姉妹店がある。ヒップホップを中心にソウル、R&B、レゲエ、ダブ、ファンク、ジャズ、ハウス、アマピアノなどのブラックミュージックに特化した「MUSIC BAR BOUNCE」だ。

バーとクラブのいいとこ取り

analogとはガラッと変わり、よりアンダーグラウンドでクラブ寄りの雰囲気。リクエスト制ではなくDJがパフォーマンスするスタイルで、座席も固定席ではなく自由に店内を移動できる。
入り口でエントランスチャージを支払い、ドリンクはバーカウンターでキャッシュオンデリバリー、支払いはいずれもキャッシュレス決済のみ。

店内は、階段を挟んで2つの部屋に分かれている。
バーカウンターがある部屋にはカウンターと壁沿いにスツールがあり、1人でも過ごしやすい雰囲気だ。カウンターの中にはDJブースが設置されていてパフォーマンスを間近で見ることができる。

もう一つの部屋には、大きなテーブルを囲む席とソファ席があり、コーヒーショップを思わせるレイアウトだ。こちらの部屋では喫煙が可能となっている。グループで会話も楽しみたいという時や、見たいDJの出番を待っている時にはこちらでゆっくり過ごすのがおすすめだ。

内装デザインは「廃墟教会」をイメージしているそうで、シンボルとも言える店内のステンドグラスは、さまざまなアーティストのCDジャケットなどを手がけているイラストレーター上岡拓也氏の作品だ。

また、コンクリートの壁面に描かれたグラフィティは、「HIPHOP何でも屋」の異名を持つマルチクリエイターGhetto HollywoodことSITEや、ストリートアーティストGUCCIMAZE®らによるもの。SITEはしばしばゲストDJとしてパフォーマンスも行なっている。

1枚目:SITEによるグラフィティ
2枚目:左側がSITE、中央が上岡拓也、右側がGUCCIMAZE®の合作

SITEは90年代後半の渋谷のヒップホップカルチャーを題材とした漫画『少年イン・ザ・フッド』の作者としても知られている。オーナーの松鶴氏は、当時の世界観をこの店で表現したいという思いから彼に依頼したのだという。

「共通の知人が何人かいたので、このお店を作る時に紹介してもらいました。その後DJもやっていることを知って、毎月出演をお願いするようになりました。」

音楽好きに刺さるDJラインナップ

BOUNCEのInstagramでは月間のスケジュールが発表されているのだが、「DJに支持されているDJ」というか、とにかくツウ好みのコアなラインナップが特徴だ。

MURO、Mitsu the beatsなどのレジェンド級のDJから、shin sakiura、KMといった最新の音楽シーンで活躍するプロデューサーなどが並び、日本のヒップホップが好きならラインナップを見ただけで興奮するような豪華な顔ぶれ。
また前述のSITEや井上三太、薄場圭といったストリート系の漫画家や、ロックバンドOKAMOTO’Sのオカモトレイジなど、DJのイメージがあまりないアーティストなども多い。

https://www.instagram.com/musicbarbounce/

「この店に合うと思って直接オファーをしている方や、もともとご縁があった方にお願いすることもあります。DJが本業じゃない人でもDJとしてブッキングしてるのが他のお店とは違うところかなと思います。」

音楽だけでなくカルチャーも感じられるラインナップなので、BOUNCEに何度か来ればリアルな渋谷のストリートカルチャーを感じられるだろう。

思い思いの夜を過ごせるサードプレイス

私がBOUNCEを訪れたのはオープンの20時を少し過ぎた頃だったので、土曜日だったが店内は比較的落ち着いており、一人で来ている人が壁際で音楽に聞き入っていたり、男性同士のグループがテーブルに置かれたフリースナックをつまみながら会話を楽しんでいた。21時を過ぎると徐々に人も増え始め、スタンディングで音楽に合わせ体を揺らしている人も多く見られた。

友人と食事のあとに少し遊びに行きたい時や、一人で夜を楽しみたい時、クラブに行く前の待ち合わせなど、さまざまな使い方ができそうだ。

「クラブに行かない音楽好きもたくさんいます。そういう方々にも、自宅では出せない音量で好きな音楽を楽しんでいただける場を提供できたらと思っています。」と松鶴氏はいう。

確かにクラブに行くとなると女性だけでは勇気がいるし、純粋に音楽を楽しみたい大人からするとトゥーマッチだったりと、なかなかハードルが高い。
BOUNCEには女性だけで訪れている人たちも多く、それだけ安心できる場所なのがよくわかる。バーと夜カフェのような2つの空間があることで、自由度の高い過ごし方ができるのかもしれない。

おすすめのドリンクメニューには、Bruno Marsがプロデュースするセルバレイ・ラムを使用した「ブルーノ・モヒート」、Snoop Doggの楽曲”Gin & Juice”にインスパイアされた「ジン&ジュース」など、ブラックミュージックへのリスペクトを感じる名前がいくつかあり、飲み物でも楽しませてくれる。

ブラックミュージックと渋谷のストリートカルチャーの融合を感じたいなら、ふらっとBOUNCEに立ち寄ってみてほしい。ローカルの中でも音楽やカルチャーに比較的強い興味がある層が集まる場所なので、海外から遊びに来る人にとっても新鮮な体験になるはずだ。

MUSIC BAR BOUNCE
■エントランスチャージ (イベントにより変動)
 平日   ¥1000
 金土日  ¥1500
■オーダー:キャッシュオンデリバリー
■支払い:モバイル決済、クレジットカード
■営業時間:
 (木~土) 20:00〜3:30
 (日) 18:00〜23:45
■Instagram : @musicbarbounce

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Orie Ishikawa

ZEROMILE編集担当。 歴史、文学、動物、お酒、カルチャー、ファッションとあれこれ興味を持ち、実用性のない知識を身につけることに人生の大半を費やしている。なんでもかんでもチンパンジーに例えて考える癖がある。

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