ポケモンが工芸と出会ったら、どんな「かがく反応」が起きるだろう。という興味深い問いから生まれた異色の展覧会が、国立工芸館(金沢市)にて2023年3月21日〜6月11日まで開催中だ。
©2023 Pokémon.
©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
人間国宝から注目の若手まで20名のアーティストが工芸の多種多様な素材と技法でポケモンに挑み、ひらめきと悶えと愉しみの中から生まれた72点を初公開。
今井完眞《フシギバナ》2022年 個人蔵
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
撮影:斎城卓
満田晴穂 《自在ギャラドス》 2022年 個人蔵
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
撮影:斎城卓
一見意外な組み合わせにも思えるが、この2つの間には実は共通点が多くある。
工芸の原材料や製造工程のエネルギーを挙げてみれば、土や草や金属や、水に炎に電気など、ポケモンのタイプのようだ。
吉田泰一郎《サンダース》2022年 個人蔵
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
撮影:斎城卓
桝本佳子《リザードン/信楽壷》 2022年 個人蔵
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
撮影:斎城卓
さらにはわざを磨いたり、育てたり、収集や交換といったシステムも、工芸にかける作り手や愛好者の想いと重なるところがあるのではないだろうか。
ポケモンの姿かたちからしぐさ、気配までを呼び起こした作品。進化や通信、旅の舞台、効果抜群のわざなどゲームの記憶をたどる作品。そして日々を彩る器、着物や帯留など粋な装いに誘い込まれたポケモンたち。
小宮康義《江戸小紋 着尺 「ゲンガー・ゴースト」》2022年 個人蔵
©2023 Pokémon. ©1995-2023 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
撮影:斎城卓
なお、作品は全て写真撮影可能で、#pokemonxkogeiをつけてシェアをすれば、来場した他のポケモンマスターたちとの情報交換も楽しめる。
今はまだ工芸にあまり馴染みのない人も、ポケモンの迫力と臨場感を楽しみながら見ることができ、新たに興味を広げるチャンスになることだろう。
出品作家
池田晃将、池本一三、今井完眞、植葉香澄、桂盛仁、桑田卓郎、小宮康義、城間栄市、須藤玲子、田口義明、田中信行、坪島悠貴、新實広記、林茂樹、葉山有樹、福田亨、桝本佳子、水橋さおり、満田晴穂、吉田泰一郎[五十音順]
国立工芸館 写真:太田拓実
ポケモン×工芸展 −美とわざの大発見− 国立工芸館 住所:〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-2 会期:2023年3月21日~6月11日 開館時間:午前9時30分〜午後5時30分 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月曜日(5/1は開館)、5/14 特設サイト:https://kogei.pokemon.co.jp