マドモアゼル・ユリアさんの美意識が光る、不易流行の着物本『きもののとりこ』

DJとしてファッションシーンで活躍しながら、着物のプロデュースも手掛けるなど多彩な顔を持つマドモアゼル・ユリアさん。同サイトでも、アートや建築と響き合う着物のコーディネートを、「語るキモノ」で連載しているユリアさんが、このほど待望の着物本を上梓した。

10代の頃からシンガーやモデルとして活躍し、世界中のビッグメゾンのオープニングパーティやイベントでも注目を集める存在となったマドモアゼル・ユリアさん。20代を過ぎた頃、海外に向いていた目が自然と日本の伝統文化へと注がれる。京都の大学で日本文化の学びを深める日々を送りながら、専攻していた明治・大正期の文化を糸口に着物を見つめてゆく。自身のバックグラウンドも相まって、いつの間にか着物に夢中になったという。これまで培った古今東西のカルチャーへの感覚をもとに学びを重ね、着物スタイリストとしても活躍。今では、自身の経験を踏まえた着付けのコツや、コーディネートの魅力を伝える教室も主宰。

「この本には、私の目に映る着物の美しさ、楽しさ、奥深さを詰め込みました。大人になってから改めて知る、生まれ育った国が育んできた豊かさ。着物に初めて触れる方にも、着物が大好きな方にも楽しんでいただける内容になっています」とユリアさん。

構成は、全5章仕立て。「四季をまとう」と題した第1章では、春夏秋冬を着物で楽しむための色や柄選びを紹介。加えて、着物の種類や格に至るまで季節ごとの着分け方もわかりやすく解説。第2章では、“ユリア流”カラーコーディネートを提案するとともに、アンティーク着物を現代的に着こなすポイントも披露。第3章では、ユリアさんのお洒落に欠かせない小物がページを鮮やかに彩る。さらに、第4章では「着物姿の50%は髪型で決まる」と語るユリアさんのヘアスタイルへのこだわりが凝縮。第5章では、着物専門店から味処なまで、ユリアおすすめのデスティネーションを紹介。これから、着物ライフに挑戦したい人はもちろん、箪笥の中で譲られた着物が眠っている人や着物のお洒落がマンネリ化してきたという人まで……是非、本書を手に、新たなお洒落の扉を開いていただきたい。

『きもののとりこ』 (世界文化社刊)
マドモアゼル・ユリア著 
税込2970円 (12月9日発売予定)
https://books.sekaibunka.com/book/b10152875.html

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Takako Kabasawa

クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークやブランディングも行う。着物や茶の湯をはじめとする日本文化や、地方の手仕事カルチャーに精通。2023年に、ファッションと同じ感覚で着物のお洒落を楽しむブランド【KOTOWA】を、友人3人で立ち上げる。https://www.k-regalo.info/

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