高揚感が躍動する、競輪スタジアム一体型ホテル「KEIRIN HOTEL 10」 瀬戸内芸術祭の拠点にも

日本各地の歴史や文化を現代的に再解釈し、ラグジュアリーな宿泊施設へと昇華させてきた「温故知新」がおくる、斬新なロケーションのホテル「KEIRIN HOTEL 10」。名称に冠するとおり、ホテルは「玉野競輪」に併設している。

全149室のうち、126室はバンク側(競走路)に面しており、眼下に躍動感あふれる練習風景を眺めることができる。さらに、バンクの先は瀬戸内海の風景を間近に感じられる絶好のロケーション。競輪と海という、唯一無二の光景と出会える。

玉野競輪場は1950年に開業、約70年に及び地域の人々に親しまれてきた。老朽化が進み建物の在り方を見直すなか、レース開催日にしか使用されていなかった選手宿舎を再活用する案が浮上。スタジアム一体型ホテルのプロジェクトが幕を開ける。

当初は、アートホテルや自転車を切り口とする軽やかな案も検討されたが、「温故知新」メンバーが実際に競輪を観戦し、その迫力や魅力に心を動かされた結果、「競輪」を全面に押し出すコンセプトへとシフト。ホテル名の「10」には、競輪が最大9人でレースを競うことから、ゲストには10人目の選手として滞在してほしいという意味を込めた。

さらに、ホテルのデザインにおいても70年以上育まれてきた競輪場の歴史にフィーチャー。競輪場で実際に使われた廃材をホテルの内装や家具に再利用し、館内には競輪の歴史や文化を感じるアート作品も点在。文化と記憶を未来に繋ぐ、まるで“競輪ミュージアム”のような空間が広がる。

滞在中には、レース開催日に競輪観戦を楽しめるほか、競輪をより深く知るための講座など、通常の観光では味わえない競輪観戦を楽しめる。バンクを一望するレストランでは、岡山の豊かな風土で育くまれた岡山県産和牛や、瀬戸内海で捕れた新鮮な魚を素材に、テロワールを感じるメニューを提供。宿泊客限定で、ディナーに創作コース料理も振る舞われる。さらに、レースがない日には、大浴場や併設するサウナも利用できる。そんな心と身体を解きほぐすウェルネスタイムも一興だ。

ホテルの立地は、直島や豊島など瀬戸内海の島々へわたるフェリーの発着所でもある宇野港まで車で約5分。今年は、瀬戸内国際芸術祭2025が開催されているため、現代アートを巡る島旅の拠点としてもアクセスは抜群だ。

そこでご紹介したいのが、夏の特別なサンセットクルーズである。定員25名の船をあえて10名までに制限。広々としたデッキで、波音と潮風を感じながらゆったりと夕景を堪能できる。既存のクルーズでは通らない直島を周遊し、船上だからこそ眺められる海側からの直島や、草間彌生の『赤かぼちゃ』を海から望める。熱狂の競輪と夕日に染まる穏やかなクルーズ……この夏は、「KEIRIN HOTEL 10」で動と静の感動を味わってはいかがだろう。

◆2025年夏特別 サンセットクルーズ◆
応募受付期間:2025年7月22日(火)~9月27日(日)
運航期間:2025年8月1日(金)~9月28日(日)
催行人数:1名〜10名(11名以上は応相談)
料金:45,000円(税込)/便
所要時間:約90分 日没時刻に合わせて運航
発着港:宇野港(岡山県玉野市)

写真提供:KEIRIN HOTEL 10

KEIRIN HOTEL 10 by 温故知新
住所:岡山県玉野市築港5-18-3
電話:0863-31-0555
Webサイト:https://keirin.by-onko-chishin.com/

SHARE

Takako Kabasawa

クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークやブランディングも行う。着物や茶の湯をはじめとする日本文化や、地方の手仕事カルチャーに精通。2023年に、ファッションと同じ感覚で着物のお洒落を楽しむブランド【KOTOWA】を、友人3人で立ち上げる。https://www.k-regalo.info/

RELATED