14時から打ち合わせの予定が入っていた。
13時半くらいに待ち合わせ場所周辺についたので、昼飯でも食べようと、はなまるうどんへ入った。
わたしははなまるうどんが好きだ。というより、塩豚おろしぶっかけあたたかいの中が好きだ。高校生のころ、はじめて食べて以来、こればかり食べている。ときどき、「わたしは丸亀製麺派〜」と言ってくる人があるけれども、わたしはそういうことを言っているんじゃない。わたしは、塩豚おろしぶっかけあたたかいの中派〜、なのであって、はなまると丸亀をくらべるつもりはない。
わたしの前には三人並んでいて、先頭のひとが、「いま新しいうどん茹でてますんで一、二分お待たせしますがよろしいですか?」と言われていた。うどんのストックのないはなまるうどんは、はじめてだった。
会計のひとは、先頭のひとの注文がわからない。うどんが無いので、見た目で判断がつかないのだ。会計のひとが、うどんのひとに聞く。うどんのひとは、ふたりめのひとに、先ほどと同じ説明をしながら、答える。
先頭のひとは会計を済ませ、席につこうとする。「もうすぐうどんが茹であがりますから、少々お待ちください」と会計のひとは声をかけるけれども、先頭のひとは、たぶん外国から来たひとで、言葉がつうじないので、そのまま席に座ってしまう。
ふたりめの番になって、また注文を確認するやりとりがあり、うどんのひとが、「さっき言いましたよね」といらいらしたふうに言った。混乱している。
どうやら、先頭のひとはうどんを頼んでいなかったらしい。たしかにお盆には、おにぎりと天ぷらだけがのっていた。ふたりめのひとのうどんを、先頭のひとの分として会計してしまったらしいとわかり、会計のひとが急いでやり直す。
三人目のわたしは、その様子をじっと見ていた。みんな、がんばっている。
ふたりめのひとのうどんをお盆にのせるとき、うどんのひとの腕は、ぷるぷるぷるぷる、ふるえていた。
わたしは、労働の、身にしみるしんどさを思い出した。
何があっても、投げ出せない。間違えたら、やりなおす。腕がふるえても、仕事はまっとうする。
気がつけば自分はずいぶん甘いところで暮らしている。
それでもやっぱり、だれもが無理をしなくてすむような世の中になれば、それがいちばんいい。せめて時間の自由なわたしは、できるだけお昼どきを避けてお店へいこうとおもう。自分の仕事のなかにあるしんどさを、きちんと受けとめていきたいとも思う。
