グランドハイアット東京にプレミアムテキーラ「クラセアスール」のVIPルームがオープン

Photo by Tomokazu Nomura

象徴的なガラスのレリーフにガスライト。海外アーティストのライブミュージックを聞きながら、シガーとお酒を嗜める、都内屈指のバーとして数えられるグランドハイアット東京の「MADURO」。ステータスシンボルでもあるこのバーのVIPルームにどのお酒が置かれるかは、業界でひとつのベンチマークとなる。

これまでウイスキーやコニャックが定番であったVIPルームに、今年9月から展開が始まったのが、プレミアムテキーラの「クラセアスール」だ。

テキーラといえば、パーティ用のアルコールとしての認知度が高いため、MADUROのVIPルームにテキーラと聞けば、驚く人も多いのではないだろうか。しかし近年、味わいと製法にこだわったプレミアムテキーラが、新しい富裕層を中心に流行し始めている。

そのプレミアムテキーラの代表格とも言われる「クラセアスール」とは、どんなものなのか。来日していた女性蒸留家に話を聞いた。

発酵を科学し、職人の技術で造られる

Photo by Tomokazu Nomura

一目見たら忘れない曲線が美しいハンドメイドのボトル。陶器の成形からペイントまで現地のコミュニティによって作られている。1つの瓶を作るのに7日かかるというボトルからも、そのこだわりが伝わってくる。5年以上の歳月を経て育ったブルーアガベを100%使用し、自社開発の酵母で発酵、丁寧に2回蒸留してつくられる最高品質のプレミアムテキーラだ。

「メキシコの美しさや伝統の価値を、蒸留酒を通じて世界中に知ってほしいというのが、クラセアスールの想いです。高品質なクラフトテキーラを提供するために伝統的な製法を守り続けることを大切にしています」

そう語るのは蒸留長のヴィリディアナ・ティノコ氏。

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メキシコドゥランゴ州で生まれ育ち、大学卒業後ハリスコ州に移住したヴィリディアナ氏は、大学で食品生化学工学の学士号を、大学院でテキーラの製造プロセスに関する修士号を取得した研究者気質。アガベ栽培から熟成までのプロセス監修を行っている。

クラセアスールの繊細な味わいと香のバランスを守り、品質に一貫性を持たせるため、畑でのアガベの生育期間、搾汁時間などを徹底的に管理し、細かなところにも気をめぐらせる。
そんなヴィリディアナ氏がテキーラづくりのなかで、最も難しく、面白いのは「発酵」であると語る。

「発酵には魅力があって、深めたいと思えるものです。天候によって変わる温度のコントロールは難しいですが、チャレンジし甲斐があります」

自らを“非常に知的好奇心が旺盛なタイプ”と語るヴィリディアナ氏は、テキーラづくりを知れば知るほど、どのように科学的反応が起こって製造プロセスに影響するのかを考えるようになった。おおらかで素朴な造りをしているところもあるテキーラ業界で、ラボを持ちながら研究を行うクラセアスールは異質であり、ヴィリディアナ氏がメキシコでは数少ない女性蒸留長として尊敬を集める理由のひとつだ。

「この8年くらいメキシコでは、品質の高いテキーラを作っていこうという機運が高まっていて、伝統やクラフトマンシップを大切にした新しいテキーラ造りに挑んでいます。テキーラはカクテルにしても美味しいですし、ストレートでも楽しめる懐の深いお酒なので、とにかく楽しんでほしいです。色やアロマ、味をみんなで体験し、共有して欲しいですね」

プレミアムテキーラという新たな選択肢

いま、プレミアムテキーラは着実に市場を席捲している。テキーラジャーナルによれば、プレミアムテキーラ(100%アガベ原料)の生産量はこの20年で4倍となり、2022年の昨年対比で消費量は29%増加、日本でも販売数は右肩上がりだ。

その流れを汲み、今年20周年を迎えるグランドハイアットの「MADURO」は、日本のホテルとしては初となるテキーラのVIPルームの展開を決めた。


マネージャーの保子潤太氏はこの決断に確信的だ。

「シガーと生演奏、高品質なお酒があるという価値は変えずに守り続けています。一方で新しいトレンドを発信できる場でもありたいと思っています。そのため、今回VIPルームを新しく作るときには、世界でトレンドになっているプレミアムテキーラでいきたいという想いがありました。今後10年、20年生き続けるブランドとして考えた場合、クラフトマンシップがあり、伝統工芸の要素もあるクラセアスールと一緒に取り組むことには価値があると考えました」

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「Room Azul(ルーム・アスール)」と名づけられた空間は、テキーラコレクターの邸宅に招かれたような温かみある空間だ。メキシコと日本の文化の融合をテーマに、内装には日本の伝統工芸である美濃和紙を使用。棚にはクラセアスールの味わいに合わせて、ドライフラワーやメキシコの工芸品が飾られる。ここではクラセアスールの全ラインアップであるテキーラ5種とメスカル2種を味わうことができる。

「ストレートやロックといったウイスキーのような楽しみ方ができるプレミアムテキーラが増え、その需要が世界的に広がっていることに時代の変化を感じています。クラセアスールは、ストレートはもちろん、カクテルにしても合わせやすいのが特徴です。さまざまな飲み方を試していただき、魅力を発見していただきたいですね」(保子氏)

東京の夜に合う洗練されたトロピカルカクテル

カクテルとしての魅力をすでに発見しているのが、カクテルの世界大会で優勝経験がある「Bar LIBRE」グループオーナーの清崎雄二郎氏だ。VIPルームのオープンを記念したゲストバーテンディングでは4種類のカクテルを披露した。

「クラセアスールはバニラやチョコレートのようなニュアンスがあって、飲み慣れていない方にも飲みやすい味わいです。フルーツやカカオとの相性も良く、味が繋ぎやすいんですよね。今回のカクテルのイメージは、メキシコのリゾートです。テキーラのクラシックカクテルをクラセアスールに合わせてアレンジしたもので、さまざまな味の振り幅を楽しんでいただけます」

1枚目「メヒコ・リコ」トリュフとチリをブレンドしたメキシコの伝統的なカクテル“パローマ”をアレンジ
2枚目「ラボラトリーマルガリータ」コーヒーの蒸留水に酸をあわせたラボで作ったようなマルガリータ。バジルと蟻の塩でデコレーション。
3枚目「Cx4」クラセアスールと相性のよいクランベリー、カシス、コーヒーを合わせた
4枚目「トリビュートブルー」パッションフルーツと合わせたリゾート感溢れるカクテル

フルーツからコーヒーまで素材と調和するのは、クラセアスールのバランスのよさがあってこそ。洗練されたトロピカルカクテルは都会のバーにふさわしいラインアップだ。これらのカクテルのいくつかは「Bar LIBRE」でのオーダーも可能となっている。

今後も「Room Azul」では、定期的にプライベートテイスティングや、有名ゲストバーテンダーによるカクテルナイトを実施予定。最旬のトレンドのひとつ、プレミアムテキーラの「クラセアスール」をこの機にぜひ体験してほしい。

Clase Azul México
website :https://www.claseazulasia.com
Instagram:@claseazulofficial 

「Room Azul(ルーム・アスール)」
営業時間:19:00~24:30(金・土 ~25:30)
定休日 :日曜日および月曜日 ※変更となる場合があります
問合わせ先:03-4333-8783(直通)
住所 :〒106-0032 東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京 4階(6階経由)
URL :https://www.tokyo.grand.hyatt.co.jp/restaurants/maduro-bar/info/

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mariko kojima

雑誌編集者、外資洋酒メーカーでの広報を経て、飲食・ライフスタイルの分野でライター、PRコンサルタントとして活動。日本テキーラ協会テキーラ・マエストロ、日本ラム協会ラムコンシェルジュ。

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