東京の夜をプロジェクションマッピングが彩る光の祭典「TOKYO LIGHTS 2023 Sep.RED」をレポート

©︎TOKYO LIGHTS 2023

2023年9月9日(土)、10日(日)の2日間にわたり、「TOKYO LIGHTS 2023 Sep.RED」が明治神宮外苑にて開催された。当初、8日(金)を含む3日間で予定されていたところ、台風13号の影響で初日を中止した2日間での開催となった。

2021年より始まった『TOKYO LIGHTS』は、世界最大級のプロジェクションマッピング国際大会「1minute Projection Mapping Competition」をメインコンテンツとして実施される光のアートイベントだ。11 月には同場所で「TOKYO LIGHTS 2023 Nov. BLUE」が行われる。過去の国際大会のグランプリ受賞者が集結する優勝者エキシビション、そして同じく光の祭典エリアの再開催も予定されている。

1minute Projection Mapping Competition

世界中のクリエイターから寄せられるハイレベルで個性豊かな作品を一度に見ることができる「1minute Projection Mapping Competition」は、1分〜1分59秒という短いプロジェクションマッピング作品が集められ、その年の世界一に相応しい表現を競う。
今大会で11回目を迎える本年度は「LINK」をテーマに作品を募集し、過去最多となる世界58の国、地域から281組ものエントリーが寄せられた。TOKYO LIGHTS 2023では、ファイナリスト20作品が聖徳記念絵画館に投影され、最終日の9月10日(日)にグランプリ他入賞者が発表された。 

2023年度受賞作品
グランプリ(東京都知事賞):『Legacy Links』 Vali Chincișan (ルーマニア)
準グランプリ(TOKYO LIGHTS 賞) : 『Touch』Elektrick.me (ブルガリア)
審査員特別賞:『Human』Ari Dykier (ポーランド)
Tokyo Tokyo 賞: 『Umbra』Resorb (ドイツ)
オーディエンス賞: 『A Neon Owl Symphony』Clockwork (ポーランド)

また、世界を股に業界の前線で活躍するAVA Animation & Visual Arts (アヴァ・アニメーション&ビジュアルアーツ) と、プロジェクションマッピングの先駆者の一人で業界の重鎮でもあるLászló Zsolt Bordos (ラスロー・ゾルト・ボルドス)を招聘。国際的に高い評価を得ている作家2組の作品も上映された。

『Eudaimonia』AVA Animation & Visual Arts (カナダ)

『reshape』László Zsolt Bordos (ハンガリー)

幻想的な光の世界を旅する「光の祭典エリア」

聖徳記念絵画館の目の前に広がる明治神宮外苑 総合球技場軟式球場は、光のアートや音楽を融合させた体験型アートが楽しめるエリアとなっていた。ここでは非日常感のある光の世界を旅する様に、先進的なエンターテインメントが配置され、エリア全体で多種多彩な体験ができる。

没入感を演出するゲートを通り抜けると、目の前にはパフォーマンスの舞台となるLINK TOWER、その奥には聖徳記念絵画館が見える。オフィシャルアンバサダーを務めるGReeeeN監修の下、オープニング演出では全4曲のメドレーの中で光と映像によるプロジェクションマッピングショーが投影された。

「光の振付師(Lighting Choreographer)」として国際的イベントのでLED演出を手掛けたMPLUSPLUSの藤本実氏や、 THINK AND SENSEの松山周平氏、他にdod、PRISMらトップクリエイターたちが力を合わせて作り上げた空間は、まさに新感覚のイベントだった。

【IMMERSIVE GATE】

©︎TOKYO LIGHTS 2023

超巨大LEDウォールの高輝度かつ没入感のある映像に囲まれ、異世界に入り込んだような感覚が味わえる。

【LINK TOWER】

©︎TOKYO LIGHTS 2023

東京の高層ビル群と地下鉄路線からインスピレーションを得た光のステージ。独自開発のLEDコスチュームをまとったダンサー「M++DANCERS」が、光る傘やリボン、旗を駆使した最先端のパフォーマンスを披露。

【PLAY GROUND】

インタラクティブプログラムを駆使した、子どもたちのための夜の遊び場。音や光が動きと連動する。

【IMMERSIVE WALL】

「THINK AND SENSE」と華道家元 池坊による いけばな×デジタルテクノロジーのイマーシブ作品。9月9日の重陽の節句に合わせ「赤い菊」を採用し、AI画像生成技術NeRFと点群情報データで表現した。

【飲食エリア】
また会場内飲食エリアでは、中国料理「スーツァン レストラン 陳」(東京都)料理長の井上和豊氏が手掛けるお弁当や、「Wine Restaurant Le Conte」(東京都)シェフの玉水正人氏が手がけるサンドイッチが買えるキッチンカーが出店。近くを通るたびにおいしそうな匂いが漂っていた。

今回見逃してしまった人も、11月にはTOKYO LIGHTS 2023 Nov. BLUEにて、(メイン企画:国際大会優勝者エキシビション)と光の祭典が再開催される予定なので、ぜひその機会に体験してみてほしい。
子供から大人まで楽しめる内容となっており、今後人気が爆発するであろう注目のイベントだ。

TOKYO LIGHTS 2023
明治神宮外苑 聖徳記念絵画館及び明治神宮外苑 総合球技場軟式球場
公式HP https://tokyolights.jp

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Orie Ishikawa

ZEROMILE編集担当。 歴史、文学、動物、お酒、カルチャー、ファッションとあれこれ興味を持ち、実用性のない知識を身につけることに人生の大半を費やしている。なんでもかんでもチンパンジーに例えて考える癖がある。

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