ジェフ・ミルズ総指揮『THE TRIP: Enter The Black Hole』 世界初コズミックオペラのワールドプレミアが東京で開催

2024年4月1日新宿ZEROTOKYOにて、DJ兼プロデューサーのジェフ・ミルズと、日本で最も革新的なビジュアル・チームと評されるCOSMIC LABと共同制作によるライブ・オーディオビジュアル作品『THE TRIP-EnterThe Black Hole』のワールドプレミアが開催される。映像、ライティング、歌、ダンスなど各分野のコラボレーターと共に宇宙の神秘に迫る総合舞台芸術作品となっている。

現在のエレクトロニック・ミュージックの原点ともいえるジャンル”デトロイトテクノ”のパイオニアであるジェフ・ミルズ。1989年にUnderground Resistance を結成し、その後ソロ活動へシフト。代表曲の「The Bells」は世界で50万枚以上のセールスを記録したことでも知られている。現在は、DJとしてだけではなくプロデューサーとしても国際的に評価されており、インスタレーション、映画、彫刻など近代アートとのコラボレーションも積極的に行っている。

Jeff Mills, Image courtesy of THE TRIP -Enter The Black Hole-

THE TRIP とは?

2008年にフランス・パリで初めてパフォーマンスが行われた『THE TRIP』。最初のバージョンは 100 本を超える SF 映画から引用したもので、無重力空間への適応や昼夜の区別がないことなど、宇宙旅行の厳しさや潜在的なリスクなどがテーマとして提起された。映画とビジュアルアート、サウンドを織り交ぜ、見るものを宇宙の冒険に誘う没入型の体験を生み出した。2016年東京の浜離宮朝日ホールで行われたパフォーマンスは、COSMIC LABの映像演出によってさらに拡張された。オーディエンスを未知の時空への旅に連れて行き、魅惑的なリズムの美しさと混沌への畏怖が融合した壮大な世界観の作品となった。

そして2024年、ジェフ・ミルズは更なる進化を遂げた『THE TRIP-EnterThe Black Hole』と共に東京にやってくる。今回の作品のテーマはブラックホール。我々のこの宇宙が、別の宇宙にあるブラックホールの特異点(シンギュラリティ)から分岐した可能性があるという仮説からインスピレーションを受け、もし私たちがブラックホールの中に入ることができたらどうなるのか?ブラックホールの反対側には何があるのだろうか?といった宇宙とブラックホールの疑問について、5つの理論的なシナリオをベースに探求する。
会場全体を宇宙空間に変え、ブラックホールへと導く「世界初のコズミックオペラ」と称される総合舞台芸術は、より高度なテクノロジーと創造的なビジョンの拡大を伴う体験となるだろう。

注目のアーティストたちがコラボレーション

今回の『THE TRIP-EnterThe Black Hole』では、音楽、映像、ライティング、そして歌とコンテンポラリーダンス、衣装デザインなどに各分野の著名なコラボレーターたちが集結した。

COSMIC LAB founder and visual artist C.O.L.O, Image courtesy of THE TRIP -Enter The Black Hole-

総合演出、脚本、音楽を手がけるジェフ・ミルズの宇宙観、思考をCOSMIC LABが映像演出で拡張する。革新的でアンダーグラウンドなクラブ/パーティーカルチャーやアートシーンに精通する​​COSMIC LABは、アートとテクノロジーを結びつけ、未知なるヴィジュアル&オーディオの体験を探求するミックスメディア・プロダクションだ。「バーニングマン」発、大阪「味園ユニバースビル」経由のアートパーティー「FLOWER OF LIFE」をその起源とし、VJ、MV、ビジュアルインスタレーション、パフォーマンスアートなど大胆な作品で知られる。2016 年の THE TRIP の制作における彼らの貢献は極めて重要であり、8年後のこの作品では、彼らが再びビジュアル共同ディレクションで積極的な役割を果たし、意識を拡大するという信念と使命を深める。さらに会場であるZEROTOKYOの最新鋭の音響・照明により、一夜限りのワールドプレミアが大幅にパワーアップする。

Jun Togawa, Image courtesy of THE TRIP -Enter The Black Hole-

ボーカリストとして参加するのは、歌手・女優の戸川純だ。代表曲の『好き好き大好き』は1985 年にリリースした曲にも関わらずいまだ根強い人気があり、日本の前衛音楽とメディアに影響を与えた一人として知られている。「ゲルニカ」のメンバーとして、またソロアーティストとして活動するなど、その活動は35年以上に及ぶ。戸川は今回の依頼をうけ、「Contradiction」と「Hole」の2曲を制作。先日リリースされたTHE TRIPデジタルアルバムに収録される。今回の重要な要素である彼女のエキセントリックで型破りなスタイルがどのように融合するのか楽しみだ。

Hiroaki Umeda, Image courtesy of THE TRIP -Enter The Black Hole-

また、振付家・ダンサー・ビジュアルアーティストでもある梅田宏明氏も制作に参加している。2002年より自身の振付作品がパリ・シャイヨー国立劇場など世界各地に招聘され、これまでの公演先は世界40ヵ国/150都市以上に上る。ヨーテボリ・オペラ・ダンスカンパニー、L.A. Dance Projectなど世界のカンパニーやフェスティバルから委託され振付作品を提供するなど、コンテンポラリーダンスとデジタルアートにおける分野を超えた表現で世界的にも注目されている。振付、ダンスだけでなくサウンド・映像・照明デザインも手がけ、近年は身体的感覚にフォーカスしたインスタレーションも制作。映像作品は21_21 DESIGN SIGHTやNTT Inter Communication Center (ICC)その他世界各地のフェスティバルで上映されている。

Hiromichi Ochiai, Image courtesy of THE TRIP -Enter The Black Hole-

そして各出演アーティストの舞台衣装は、日本を代表するブランド「FACETASM(ファセッタズム)」のデザイナー落合宏理が手がける。2007年にスタートして以来、世界のファッションシーンで人気を博している「FACETASM」。馴染みのあるシルエットに予想外のディテールや自由なレイヤリングを組み込んでいるのが特徴だ。さらに、コカ・コーラやリーバイスなどとのコラボレーションや、リオオリンピック・パラリンピック競技大会閉会式「フラッグハンドオーバーセレモニー」で衣装制作を手がけるなど、国内外で活躍の場を広げている。

ジェフ・ミルズは過去に何度か日本を訪れているが、今回の訪問は記念碑的なものとなりそうだ。THE TRIPは、彼の初期のキャリアを発端にしたテクノミュージックを超越し、新たな領域に進出する彼自身の冒険を見せてくれる。宇宙への探求であると共に、ジェフ・ミルズがアーティストとして辿った時間の探求としても楽しめる。テクノ愛好家や現代アート愛好家にとっても、この夜は確実に魅惑的で忘れられない宇宙の旅となるであろう。

COSMIC LAB presents
JEFF MILLS『THE TRIP -Enter The Black Hole-』
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日程:2024年4月1日(月)
会場:ZEROTOKYO 新宿歌舞伎町タワー
時間:
[第1部]開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:00
[第2部]開場 21:00 / 開演 21:45 / 終演 23:15
料金:
一般前売り入場券 11,000円
Official Online Ticket:https://www.thetrip.jp/onlinetickets
LAWSON :https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=712478

出演:
Sounds: JEFF MILLS
Visuals: C.O.L.O(COSMIC LAB)
Singer: 戸川純
Choreographer: 梅田宏明
Costume Designer: 落合宏理(FACETASM)
Dancer: 中村優希 / 鈴木夢生 / SHIon / 大西優里亜

Official web site:https://www.thetrip.jp

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Vince Lee

オーストラリア出身、東京在住。世界がどのように形作られているかに好奇心を持ち、過去や未来について考察を巡らせている。文化、音楽、自然に興味を持ち、レコードバー、美術館、海や山で時間を過ごすことを愛す。

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