「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」| カラフルでノスタルジックな空間を楽しもう

人気映画監督ウェス・アンダーソンの世界を体現したような風景写真を集めるInstagramコミュニティ”Accidentally Wes Anderson (AWA)”が展覧会となって日本に初上陸。「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」として2023年4月5日~5月26日まで天王洲寺田倉庫G1にて開催中だ。

“ウェス・アンダーソンすぎる風景”とは?

アメリカの人気映画監督ウェス・アンダーソン氏の映画作品は、独自の世界観を持ち、特に色彩と構図、フォントなどにこだわり抜いて作られているという特徴がある。『グランド・ブタペスト・ホテル(2014)』や、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021)』などにも見られる「シンメトリー(対称性)」「パステルカラー」「はっきりした模様」などが代表的で、どのシーンを切り取ってもポスターのようにデザインされている。
世界に実在する、ウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな風景を集めてシェアしているコミュニティがAWAだ。

AWAって何?

2017年、アメリカのブルックリンで、ワリーとアマンダ・コーヴァル夫妻が、旅行計画のバケットリスト(死ぬまでにしたい100のこと)を構想したことがきっかけで生まれたInstagramコミュニティ。

現実の中で、偶然出会ったウェス・アンダーソン監督の映画に登場しそうな場所を写真に撮り、インスタグラム @accidentallywesandersonにアップロードしだはじめたところ、その美しい作品に魅了される人が増えていった。夫婦が自ら撮った写真と、彼らが「冒険者」と呼ぶ全世界のフォロワーから提供を受けた画像も掲載するなど、積極的に交流している。現在はフォロワー数175万人超のグローバルコミュニティに成長している。

カラフルでワクワクする空間

同展は、2022年には、流行のトレンドの発信地、韓国・ソウルで開催され、25万人を動員した。
日本での会場は天王洲・寺田倉庫G1で、10のテーマごとにエリアが区切られており、旅を擬似体験できるような構成になっている。

入って最初の空間「Welcome Adventurers」では、AWAプロジェクトや本展覧会の紹介がされている。

思い出を懐かしむノスタルジックな雰囲気の「Open Your Photo Album」
三重県のナガシマスパーランドの写真なども展示されているので見逃さずにチェックして欲しい。
(写真左)

旅をつなぐ駅とその背景に隠されたさまざまな物語を紹介する「The Terminal」

旅に欠かせない列車や飛行機などの乗り物がテーマの「Mind the Gap」
馴染みのある新幹線も、こうして見ると特別にデザインされたもののように見える。

「JR」

さまざまな国の歴史や文化を感じられる「Cities to Explore」
鮮やかな色合いに満ちた都市や冒険心が刺激される異国文化あふれるロケーションの数々が楽しめる。

美しく魅惑的なホテルとそこに秘められた物語を楽しめるエリア「Check in Please」には、映画グランドブタペストホテルをイメージしたレセプションデスクが設置されている。ホテルに訪れた人々で賑わうロビーを眺めるグスタヴの気分を味わおう。フォトスポットとしても一押しの場所だ。

プールがテーマの空間「Cool Pool」には、プールサイドのようにベンチが等間隔で並べられている。
ヴィンテージな色合いとバランスの取れた空間。どことなく静けさを感じるエリアだ。

ピンクとターコイズブルーがテーマの「Colorful Collection」には世界各地の写真がずらりと並ぶ。
日頃何気なく通り過ぎている景色の中にも、こんなにも美しい色彩が散りばめられていることに気がつくきっかけとなるだろう。

草原や雪景色、海などの自然にフォーカスした「Relax in Nature」
自然と人工物が織りなす美しい構図が不思議と心に平穏をもたらしてくれる。

展示の最後のエリア「Visitors Center」には、ボーディングチケットを発券できるサービスがあり、写真と背景色を選んで名前を入れると、記念にチケット風のオリジナル画像を作ることができる。

オリジナルボーディングチケット

グッズも必見

レトロかわいいボールペンやコインケースなど、旅行のお土産感のあるアイテムラインナップのAWAロゴグッズや、写真を使ったステッカー、マグネット、スマホグリップなど、いくつも欲しくなってしまうグッズばかり。

筆者はマグネットを大量買いして、ウェス・アンダーソンすぎる冷蔵庫にしたいと企んでいる。

パステルカラーとノスタルジックな雰囲気が、春らしい気分を盛り上げてくれる展示会だ。世界中から集められた写真の中で、実際に行きたくなる場所が見つかるかもしれない。

ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている
寺田倉庫G1ビル
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川2丁目6−4
会期:2023年4月5日~5月26日
開館時間:11時~19時、毎週金・土曜日 11~20時 (入館は閉館の30分前まで)
*GW中(4/30~5/4)と最終週(5/22~25)は11~20時
入館料:一般 ¥2,000 / 大学生 ¥1,500 / 高校生以下 ¥1,000
ウェブサイト:https://awa2023.jp

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Orie Ishikawa

ZEROMILE編集担当。 歴史、文学、動物、お酒、カルチャー、ファッションとあれこれ興味を持ち、実用性のない知識を身につけることに人生の大半を費やしている。いつか知床にシャチを見に行きたい。

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