大正浪漫を象徴する画家、竹久夢二の展覧会「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」が2024年6月1日~ 8月25日、東京都庭園美術館で開催される。
1884(明治17)年に岡山県で生まれた夢二は、正規の美術教育を受けることなく独学で自身の画風を確立し、「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博した。本や雑誌の装幀、衣服や雑貨などのデザインも手がけ、現代でいうグラフィックデザイナーとしても活躍した。
没後90年を経ても愛される夢二の作品は、現在も研究が勧められており、今回の展示は最新の研究に基づく新たな視点からその生涯をたどる内容となっている。
このたび発見された大正中期の名画《アマリリス》、滞米中に描かれた貴重な油彩画《西海岸の裸婦》、さらに夢二を看取った友人に遺したスケッチ帖や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を夢二郷土美術館コレクションを中心に紹介する。
公立の美術館でここまで大規模な巡回展が開催されるのは初めて。東京展の会場となる東京都庭園美術館は、アール・デコ調の建築で知られ、国の重要文化財にも指定されている。本館はかつて朝香宮家の邸宅で、実際の生活空間に施された多彩な装飾が施されており、夢二の作品世界を楽しめる最高のロケーションとなっている。
東京都庭園美術館 本館 正面外観
時代を超えた”カワイイ”
さらに竹下夢二のデザインを生かした展覧会の図録も注目だ。
図録は単体と箱入り(レターブック1冊付き)の2種類。カワイイ文化のさきがけともいえる夢二の魅力が存分に表現されている。内容も、監修者の岡部昌幸氏(帝京大学名誉教授/群馬県立近代美術館特別館長)の総論をはじめ、学芸員による解説など読み応えのあるものとなっている。
■図録(単体)2,900円(税込み)
全336ページ、B6判型。表紙はフランス製本と呼ばれる、袖の付いた贅沢な仕様。表はオフホワイト、裏はカフェラテと色が違う厚紙に夢二がデザインした雑誌『若草』から厳選した柄が施され、見返しや本文ページにも夢二画集などの絵柄をワンポイントで入れるなど、細部までこだわり抜かれている。
■図録(箱入り、レターブック1冊付き)4,500円(税込み)
箱は「桜草」、「若草」、「青い小径」、「猫」の4種類。風合いのある紙を使用し、手作業で作られた貼り箱は、カードや手紙、文房具などの小物を収納できるほか、贈り物の際にも使えそうだ。付属のレターブックは24枚セット。両面すべて異なるデザインで1枚ずつ切り離使用できる。
※箱・レターブック単体での販売はしておりません。
また、今回の展覧会のチラシは4種類×両面の8柄が楽しめるようになっており、全種類コンプリートしたくなってしまう。
夢二ファンの方だけでなく、デザインに興味のあるクリエイターにもおすすめの展示だ。美しい建物とともに竹下夢二の作品と大正浪漫にひたろう。
生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界 会場:東京都庭園美術館 会期:6月1日(土) ~8月25日(日) 休館:月曜休館 (*7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)を除く)、7月16日(火)、8月13日(火) 開館時間:午前10時~午後6時(入館は閉館30分前まで) Webサイト:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/240601-0825_yumeji