【Colors ‐桜色-】風景写真家・森田敏隆が厳選!一度は行きたい全国の桜の名所[後編]

後編では、長年全国の桜を撮り続けてきた森田氏に、桜の色に焦点を当てて、色の違いやその楽しみ方について伺った。

前編はこちらから

森田氏
「まず同じ品種であれば、地域によって桜の色には特に大きな変化はないのです。桜の代名詞とされる“ソメイヨシノ”は、つぼみから開くときはピンク、咲きはじめに少し白みが強くなり、満開に近づくにつれて淡いピンクへと花びらの色が変化していきます。満開のピークを過ぎるとピンクの色味がさらに強くなり、桜吹雪や地面に落ちた花びらはきれいにピンクの色味がでてくるのです。見るタイミングによって色の変化を楽しめると思います。近所に咲く桜でも、通勤や通学、お買い物などで何気なく見ていた桜も、色の違いを発見できて新しい春の楽しみになると思いますよ。」

桜の咲くタイミングによって、色の変化を楽しむ

青森県弘前市 桜ライトアップと外濠の水鏡 撮影時期:4月24日
青森県弘前市 桜咲く弘前城と花筏 撮影時期:5月5日

1枚目の写真は満開時の夕方頃に撮影されたもの。夕凪によって風が止み、桜鏡となって水面に映る淡いピンク色は圧巻の景色。
2枚目の写真は満開から少し経ち、花びらが散り始めた頃に撮影されたもの。
散り始めとなると花びらは、淡いピンクから少し色味が強くなるので、堀の水面に桜の花びらが漂い花筏となり、視界全体をピンク色に染めることができる。

〒036-8356
青森県弘前市下白銀町1
★例年の見頃:4月下旬~5月上旬

時間軸で移り行く桜の姿にも注目

また、森田氏は続けて桜の色を楽しむなら、時間帯での変化が一番美しいという
「長い時であれば1日かけて撮影しているときもあります。同じアングルから同じ景色を撮っても、見せてくれる姿は全く違うのです。中でも朝景に映える桜は早起きをしても見る価値があるくらいに景勝です。」

【朝景】

宮城県宮城郡松島町 桜咲く西行戻しの松公園より松島と朝日 撮影時期:4月20日

空が紫かかっているなか、太陽が少しずつ昇り始める朝方5時頃。
太陽の上がり始めは、少し赤身のあるオレンジ、少し経つと黄色。朝日の光が直接花びらに当たり始めたとき時がベストショット。徐々に染まっていく桜の姿は何度見ても溜息が漏れる美しさだ。

〒981-0213
宮城県宮城郡松島町松島犬田地内
★例年の見頃:4月中旬~下旬

スマホでもキレイに写真を収めたい

もちろん、実際に足を運び生で景色を味わうことが一番だが、せっかくならスマホでもその美しさを写真で残し、SNSで感動をシェアしたい気持ちもあると思う。今回は森田氏に桜の色にフィーチャーした、写真の撮り方のコツも教えてもらった。

「桜の色をキレイに映えさせるためには、必ず青空を背景に一緒に撮ることが大切です。いまのスマホは進化しているので、レンズを向けたら自動で設定してくれるのでそのままで十分。とはいえ、雨や曇りの時でも、情緒的に桜を映すことができます。一番重要なのは自然との出会い。刹那的にシャッターを切ることで、桜は様々な顔を見せてくれます。ぜひ皆さんも撮ってみてください。」

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ZEROMILE 編集部

知的好奇心旺盛なミレニアル世代に日本の情報を発信。 「好奇心が心理的距離をゼロにする」をテーマに、編集部がピックアップした情報を掲載。

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