小原晩【たましいリラックス】vol.31 昼寝

昼寝はたっぷりするに限る。躊躇しちゃいけない。睡眠の質を上げるには、15分程度の昼寝がいい、などという論理は知っている。私はそういう話をしていない。

昼過ぎに起きる。歯を磨いて、顔を洗い、コーヒーを淹れるためのお湯を沸かす。ポットを熱する平たい火をながめながら、ぼんやりとした頭をぼんやりとしたままにする。ぼんやりと仕事をはじめる。ふわふわとした頭というのは貴重である。素直な感じがある。いいところでやめにして、ごはんを食べる。眠くなる。まだ眠らない。明るいうちに散歩に出る。太陽の下を歩く。冬のぽかぽか。眠たさ、重くなってくる。スーパーで食材をみるだけみたりして、家に帰る。多少粘るが、結局眠る。目覚ましはかけない。少しずつ暗くなってきている街の真ん中で、ひとり眠る。

起きたらもうゾッとするほど夜夜中。めんどくさ、みたいな気持ちにいつもなる。歯を磨いたり、お湯を沸かしたり、またする。パソコンをひらいて、何かひとつ仕事をはじめる。頭が透き通っている。すごく起きてくる。働ける頭にやっとなっている感じがする。熱いコーヒーと、つめための甘いものを少量からだに入れる。深い集中がやってくる。

やっぱり昼寝だよな、昼寝しないと、人生なんて、ねむい時にねて、食べたい時に食べないと、暮らしなんて、夜ねむれなくて結構、朝起きれなくて結構、結果としての不健康も結構、節制した先にあるものをみにいくだけの元気などわたしにはない、はなからない。

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小原晩

1996年東京生まれ。作家。歌人。2022年3月エッセイ集『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』、2023年9月『これが生活なのかしらん』(大和書房)刊行。https://obaraban.studio.site

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