World’s / Asia’s 50 Best Barsにおいて数々の受賞歴を持つSG Groupが、2024年5月28日(火)、東京・丸の内にレストランバー「The SG Tavern(エスジータバーン)」をオープンした。グループとしては初の丸の内エリアへの出店となる。
激動の時代に思いを馳せる
「The SG Tavern」のテーマは、幕末に西洋技術を学ぶために英国に渡った「薩摩スチューデント」と呼ばれる若者たちの旅をイメージしている。
時は幕末。1863年に勃発した薩英戦争にてイギリスの技術と軍事力の高さを目の当たりにした薩摩藩は、日本が西欧列強の植民地とならないよう西洋の技術と知識を習得する必要があると考えた。
そして1865年。薩摩藩の侍19人は西洋の技術と知識を学ぶため、鎖国の禁を破り英国へと旅立った。このとき渡欧した薩摩の若者たちは、維新達成後の明治時代に、日本の近代化に大いに貢献した。
この史実を基に「The SG Tavern」は、薩摩スチューデントらの体験を想像しながら、侍たちが各地で出会ったであろう酒文化や料理と、日本の要素とを織り交ぜたカクテルや料理を、当時を思わせるクラシカルな空間で提供する。
インテリアデザインはTHE WHOLEDESIGNの杉山敦彦氏。丁寧にエイジングされた木工家具をベースに、文明開花期を思わせる赤煉瓦、アンティーク調ミラーで構成され、丸の内らしい落ち着きを感じられる空間。仲通り側は一面ガラス張りで開放感に溢れ、街路樹を望みながらカクテルを楽しめる設計だ。テーブル、カウンター、または気軽にスタンディングと、その時々のシチュエーションに応じたスタイルで利用でき、半個室のブース席もある。
NARISAWAとSGの共演
ドリンクは香港、ボンベイ、マルタ島など薩摩スチューデントの寄港地をイメージしたハイボール、当時の時代背景や留学生たちのエピソードをモチーフにしたカクテル、日本酒や焼酎など國酒にフォーカスしたシリーズを新たに創作。また国産ワインや各地の地酒も取り揃え、食事や気分に合わせて選べる。
料理は旅の航路の食材や郷土料理をもとに、和食洋食から東南アジア、中東料理まで幅広い要素を融合したスタイルで提供。中でも、The World’s 50 Best Restaurantsで14年間連続で選出されている「NARISAWA」の成澤由浩シェフが監修したシグネチャーフード5品は、秘伝のソースで6時間煮込んだ「神戸ビーフシチュー」、季節の高級魚を使用した「甘鯛のフィッシュアンドチップス」などは、このために訪れたくなるほどの逸品だ。
「The SG Tavern」のある丸の内周辺は、明治維新直後は陸軍の諸施設が置かれていた場所だったが、国内の混乱が収まると軍は郊外に移転することになった。1890年に「三菱社(現在の三菱グループ)」が丸の内一帯の土地の払い下げを受け、この地に大オフィス街の建設を計画した。ロンドンの金融街を参考にデザインされた赤煉瓦づくりの街並みは当時『一丁倫敦(いっちょうロンドン)』とも呼ばれた。まさに文明開花と近代化の中心地だったのだ。100年以上経った今でも丸の内は日本有数のビジネス街として知られている。
ちなみに「三菱一号館美術館」として知られる赤煉瓦の建物は、1894年に英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された「三菱一号館」を復元したものだ。三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風事務所建築であり、日本の近代化を象徴する建物と言ってもいいだろう。
「The SG Tavern」に行く際には合わせて訪れたい。
The SG Tavern(エスジータバーン)
住所:東京都千代田区丸の内1-4-1 丸の内永楽ビルディング 1階
Instagram:@the_sg_tavern
SG Group webサイト:https://sg-management.jp/