森と溶け合う「箱根リトリートföre & villa 1/f」

ここ箱根では、森のよさを存分に教えられる。ことに「箱根リトリートföre & villa 1/f」は、1500坪という広大な敷地に、檜や栗、楓といった自生林が、のどかに堂々と存在。豊かな緑に抱かれて“何もしない”、巣篭もりのような時間を過ごすのにぴったりの、止まり木のような場所である。

施設は、北欧テイストの家具を設え4タイプ37室を有する「före(フォーレ)」とウッディな寛ぎをモダンに昇華させた一棟貸しの「villa 1/f(ヴィラ ワンバイエフ)」からなる。都心から2時間圏内で、心身を“リトリート”できる隠れ家のような場所として、近年は海外からのリピーターも多く訪れる。

「箱根リトリートföre & villa 1/f」の魅力は、なんといっても森の中に建物が点在することだ。レセプション機能を兼ねた薪火料理レストラン「WOODSIDE dining」を中心に、宿泊棟やフリースペース「free bird & terrace」、café & lounge、温泉などが、それぞれ独立した建物として立ち並ぶ。

チェックインを済ませたら荷物を置いて、まずは敷地内を散策したい。心地のいい木陰を作る大きな樹木や、名前も知らない可憐な花を横目に、少し奥まで歩くと静けさが増し、土と緑のにおいが濃くなっていく。ただのんびりと、樹々の揺れる葉音や鳥たちの声をたよりに歩く喜びが満ちてくる。

また、今夏からは、滞在中の雨模様を逆手に取った特別プランも登場。客室やカフェラウンジで焼きたてのシナモンブレッドを楽しめるオプションや、クリエイターと連携した体験型の企画、一棟貸しの「villa 1/f」の宿泊者限定では、プライベート温泉で五感に響くデザートを楽しめる贅沢なおもてなしが叶う。

ファミリーで長期滞在したいという人には、室内に温泉やキッチンも完備した一棟貸しの「villa 1/f」をレコメンドしたい。落ち着いたインテリアを基調に、洗練された引き算の設えによって、ほどよくモダンな雰囲気にデザイン。

初夏を過ぎるとバスルームからも樹々の緑がしたたるように涼やかな風を運び、秋には紅葉が極上のアートに。冬には薪ストーブも情緒を添え、家族の絆を深める心温まる空間を演出。2024年には新たな棟が増え、現在はそれぞれに趣が異なる18棟が揃う。

最後にご紹介するのは、森の気配を間近に感じられるように壁面の多くをガラス張りに設計した、薪火料理レストラン「WOODSIDE dining」。ここでは、食べきれないほどの料理が運ばれるコース料理ではなく、好みのものを好きな分量だけセレクトできるバイキング形式の朝食を採用している。ディナーはプリフィックス形式となっており、メインディッシュは、近隣県産の魚や地元の鶏や相州牛といった逸品揃い。

お腹が満たされると、また森を散策したくなる。森に宿る静かな命の営みを感じながら歩いていると、不思議と心も体も軽くなるようだ。絶えざる日常と非日常の交わる一コマを、森が媒介してくれるのかもしれない。

写真提供:箱根リトリートföre & villa 1/f

箱根リトリートföre & villa 1/f
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116
電話:0460-83-9090
ウェブサイト:https://www.hakone-retreat.com/

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Takako Kabasawa

クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークやブランディングも行う。着物や茶の湯をはじめとする日本文化や、地方の手仕事カルチャーに精通。2023年に、ファッションと同じ感覚で着物のお洒落を楽しむブランド【KOTOWA】を、友人3人で立ち上げる。https://www.k-regalo.info/

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