DRUM TAO 30周年記念舞台「THE TAO 夢幻響」 
迫力のパフォーマンスを体感

2023年に結成30周年を迎えた「DRUM TAO」。和楽器とダンスパフォーマンスを組み合わせた新感覚のエンターテイメントとしてワールドワイドに公演を行っており、今や世界観客動員数1000万人に迫る勢いだ。

1993年、和太鼓による「世界に通用するエンターテイメントを創造する!」という目標を掲げて愛知県で結成されたDRUM TAO 。その後、1995年に大分県竹田市久住町に移転してから、7年半で九州を中心に100万枚のチケットセールスを記録。NY オフ・ブロードウェイでは全公演 SOLD OUT、最近では人気ゲーム「Apex Legends」 とのコラボレーション(2022年)や、Summer Sonic 2023への出演など、国やジャンルを超えて活躍の幅を広げている。

昨年5月には、30周年を記念して全国ツアーをスタート。記念プログラム「THE TAO 夢幻響」は、彼らの原点とも言えるプログラム「天響(1997)」をアップデートしたものだ。ツアー中2度目の東京公演となる今回は、2024年2月1日~4日までの3日間にわたり、年始に開業したばかりのIMM THEATER にて行われた。

これぞジャパニーズエンターテイメントショー

和太鼓パフォーマンスという前情報で筆者が抱いたイメージは、ねじりはちまきに股引き姿の男たちが汗だくになって太鼓を叩く姿だった。だがDRUM TAOのパフォーマンスは、その予想とも、今まで見たどんな舞台とも異なるものだった。
伝統芸能を見ているような瞬間があるかと思えば、ダンスグループのパフォーマンスを見ているようでもあり、ロックバンドのライブのような激しさ、アイドルのコンサートのような煌びやかさを兼ね備えた、まさにエンターテイメントショーだった。

衣装は日本を代表するファッションデザイナー・コシノジュンコが手がけたもので、彼らの振り付けや演奏の仕草を美しく彩っている。和服のテイストを洗練させたというだけでなく、どこかプリミティブで民族的なエッセンスも感じられた。

また、筆者が驚いたのは、パフォーマンスそのものもさることながら、和楽器の表現力だった。大きな和太鼓を柔らかいビーターで優しく叩いている時の深く柔らかい音が、まるでウッドベースのようにメロディアスだったこと、三面の琴でピアノのように繊細な音を奏でていたことなど、和楽器の音色に対する固定概念がことごとく覆った。

DRUM TAO を体感せよ

30周年記念「THE TAO 夢幻響」のツアーは3月後半までとなっており、今後関西、九州、東北などの各地で公演予定となっている。また、5月からは新作舞台「FUTURE」を公演予定。九州を中心に回った後、7月に再び東京に戻ってくる予定だという。詳しくは公式ウェブサイトを確認してほしい。
https://www.drum-tao.com/archives/schedule

また、彼らの本拠地である阿蘇くじゅう国立公園に位置する「TAOの丘」では、標高1,036mの場所に設置された「天空の舞台」でパフォーマンスを見ることができる。今年は3月29日からシーズンスタートとなり、毎週⾦・⼟・⽇・⽉曜にライブが開催される。阿蘇の大地と空に響く和太鼓の振動を体験しよう。

DRUM TAO
https://www.drum-tao.com/
TAO の丘
https://drum-tao.com/nature-theater/

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Orie Ishikawa

ZEROMILE編集担当。 歴史、文学、動物、お酒、カルチャー、ファッションとあれこれ興味を持ち、実用性のない知識を身につけることに人生の大半を費やしている。なんでもかんでもチンパンジーに例えて考える癖がある。

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