Ace Hotel京都は、2020年6月、旧京都中央電話局を改修した複合施設 「新風館」内に開業した。
大正時代(1912~26)に建てられた煉瓦造りのこの建物は、近代モダニズムの先駆者と呼ばれた吉田鉄郎の代表作だ。その歴史的な価値から、1983年に京都市指定・登録文化財一号に登録されている。
竣工当時の外観をそのまま残しながら、2001年に商業施設「新風館」として生まれ変わり、流行の発信拠点として地元の人々に愛されてきた。
2016年に一時閉館し、「伝統」と「革新」の融合という商業施設時代のコンセプトを引き継ぎながら、2020年に複合施設としてリニューアルオープンを迎えた。
Ace Hotel京都は、 その歴史的建築物を残した保存棟と、新たに建てられた新築棟から成り、建築家・隈研吾氏によるデザイン監修と、ロサンゼルスを拠点とするCommune Designとのコラボレーションにより「East meets West」というコンセプトのもとデザインされている。
日本とアメリカ西海岸のアーティストや職人によるクラフト、自然、地域の素材、カスタムアートなど「美的哲学、アイデアと伝統」がバランスよく融合された、新しい感覚の空間・アート作品が館内のいたる所に配置されている。
客室も、日本を代表する染色アーティスト・柚木沙弥郎氏による作品や、ペンドルトン社のオリジナル・ベッドブランケットなど、日本の工芸へのリスペクトを織り交ぜながら、エースホテルらしさを感じられる空間になっている。
Ace suite
Tatami suite
レストランは、アメリカ風イタリア料理の「Mr. Maurice’s Italian」(ホテル3階)、アメリカ風タコス料理「PIOPIKO」(ホテル2階、中2階)。それぞれアメリカで著名なシェフが監修しエースホテル京都のオリジナルメニューを開発している。
PIOPIKOラウンジ
ロビーは24時間、誰でも利用可能なので、近くに寄った際にはコーヒーを飲みながらアーティストたちの作品を鑑賞するのもいいだろう。
Ace Hotelは、ホテルを街の共有物として開き、コミュニティーやカルチャーを作りだす場所として位置付けており、頻繁にDJイベントや、アーティストの作品展なども行っている。
Ace Hotel京都が位置する京都市中京区は官公庁やオフィス、商業施設が集まる地元の政治・経済の中心地で地価も高い人気のエリアだ。中でもホテルから徒歩圏内には老舗のお店や喫茶店から人気のアパレルショップや飲食店・カフェが点在している。
伝統と歴史を残しつつも、時代の先端と繋がれる京都観光の拠点にしたいおすすめのホテルだ。京都という土地から、再び新しい歴史が動き出しそうだ。
Ace Hotel
1999年米国シアトルで若いクリエイター集団(創業者:アレックス・カルダーウッド)によってスタートして以来、本社機能「アトリエ・エース」はクリエイティブスタジオとしてAce Hotel、Sister City、Maison de la Luz を始めとする系列ホテルを開発・運営。現在は、アメリカ国内に7ヶ所、カナダ1ヶ所、オーストラリア1カ所、そして2020年に京都を開業。アートや音楽を軸に、クリエイティビティあふれるインテリアデザインや、広く開かれたロビースペースの活用などで、旅行者だけでなくコミュニティと結びついたそれまでになかった形のホテルとして日本でも注目を浴びてきたホテル。エースホテル京都は初のアジア及び日本出店となり、今後もアメリカ国外での出店を目指す。
Ace Hotel Kyoto 住所:京都府京都市中京区姉小路通東洞院西入車屋町245‐2 営業時間:平日10:00〜19:00/土日10:00〜18:30(火・水曜定休※祝祭日を除く) https://jp.acehotel.com/kyoto